モバHO! wikipedia|無料辞書
◆ システム概要
従来の衛星放送は家屋などに固定したアンテナで受信する、固定受信局向けの放送である。
放送衛星は高度約36,000kmの
静止軌道から、12GHz帯(Kuバンド)を用いて100〜200W程度の送信出力で放送する。この放送波を受信するためは
パラボラアンテナのような高利得アンテナを用いる必要がある。こうした高利得アンテナは指向性が鋭いため正確に衛星に向ける必要があり、自動車などの車両に取り付けたアンテナでは受信が困難である。また衛星が見通せないトンネル内や地下、高架下では受信ができなかった。
モバHO!のシステムでは放送周波数に2.6GHz帯(Sバンド)を用いる。周波数が1/2になると空間の伝播損失は1/4になり、他の要因とあわせ従来の衛星放送に比べ約1/13のロスで済む。また、衛星側のアンテナとして12m径の高利得アンテナを用いることで
実効輻射電力を増加させている。このため受信機のアンテナを小型の無指向性の物にすることができ、受信機を携帯端末サイズにまで小型化することが可能であった。なお携帯端末にはパッチアンテナ(
マイクロストリップアンテナ)を採用した。
放送方式は、
ITU-R勧告 BS.1547 "Terrestrial component of systems for hybrid satellite-terrestrial digital sound broadcasting to vehicular, portable and fixed receivers in the frequency range 1 400-2 700 MHz"のSystem Eを使用している。
また大都市圏向け(
札幌・
東京・
名古屋・
大阪・
福岡など)のサービスであるが、衛星が見えないトンネル内やビルの谷間では
ギャップフィラーを用いて受信可能にする。これは衛星を見通せる場所に設置したアンテナで受信した信号を、衛星からの電波の届かない場所に再送信する中継局である。ギャップフィラーには、S帯の電波を再送信する形式と衛星から通信として送られてくるKu帯のTDMの電波をS帯のDS-CDMに変換して再送信する形式があった。
しかしギャップフィラーの設置されていない日本国内(特に地方)の大半の地域での衛星が見えないトンネル内やビルの谷間での受信環境が良くなく、特に地方のモバイル放送の受信契約者からはギャップフィラーの設置や増設が待たれていた。
モバイル放送の契約者増を図る為には、受信契約者に対する充実した対策や
パラボラアンテナのような高利得アンテナを用いない簡便さをアピールするためのコンテンツの充実が望まれた。
放送方式は、日本国内では唯一の直接拡散符号分割多重方式(DS-CDM)を採用している。国際的にITU-R Rec. BO. 1130-4 Digital System Eとして採択されていた。
◆ コールサイン
なお、他の日本国内の衛星放送は2007年11月までにチャンネル運営を行う社団とその委託を受けて中継を行う衛星運営企業との上下分離を完了しており、チャンネル運営と衛星運営を兼ねる放送事業者はモバイル放送が唯一となった。
◆ 受信機器
放送を受信する機器は、携帯型・車載型・
PCカード型の3種類が提供される。AVケーブルを接続して普通のテレビでも視聴する事は可能だが元々小型画面用に
QVGAで放送しているので、画質が粗い。
当初、携帯型受信機は
東芝と
シャープがそれぞれ発売した。このうち、東芝製の「モバビジョン」は2006年2月に「リチウムイオンバッテリーパックが膨らみ、バッテリーケースの蓋が閉まらない」というトラブルが起きることが判明した。この東芝・シャープの製品は生産完了により終息し、モバイル放送社自身がカーキットと呼ばれる車載用、またホームキットという屋内受信用のセットを販売していた。
また、2007年6月には
ワンセグ放送の視聴も可能な携帯型受信機(アップグレードによりモバイル放送だけでなくワンセグ放送の録画も可能)を新たに販売開始した。
このほか
アイリバーの開発した受信機「U:MO」(ユーモ)を、
USENが「モバイルUSENクラブ」という会員制サービスでレンタル提供していた。なお、同クラブは2008年2月末日をもって新規入会受付を終了した。U:MOはB20という型式に変更されアイリバーが販売を継続した。
◆ サービス
モバHO!で提供していたサービスは以下の通り。一部を除いて有料放送である。
なおモバイル放送に与えられている免許は音声放送であるため、映像放送については簡易動画付という位置づけであった。
◇ 映像放送
◇ 音声放送